第43話 「続、男は辛いよ」

*二度目の恋 君に逢いたくて…第43話



シルヴァーにあんな事をされ、途方にくれてるローリー。
もう何も考える力が残っていない。まさか彼があんな行動に出るなんて…。
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あれはレイプとしか言いようがない!



でもそれを誰かに言ったところで何になる?自分の愚かさを他人に知らせるだけだ。
あのろくでなしの行動は誰もが予想がついた事なのだから。
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そしてゴルゴとの新たな関係を夢に見た事も一瞬で終わってしまった。
笑っちゃうぐらい、あっけなく…。



ただ一番怖いのはこれから先だ。もし…もし万が一、子供が宿っていたらどうしよう…
もちろん、そうなったら生む覚悟でいる。何故なら…
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そう、何故なら父親がどうであれ、自分の子には変わりはないのだから…。



ああ…私の人生はどうしてこうも複雑なのだろうか。
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ただ平凡に、おただやかに生きて行く事は私には許されないのだろうか。
きっと私はそう言う星の下に生まれたんだ。そう思って諦めるしかないのかも知れない。



ローリーは深いため息を吐きながら瞳を閉じた。
「気持ちいい…」
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「…………ラ……ララ……ラ…」



「あいつ、ぜってー俺の電話シカトぶっこいてんじゃね?なんだよ…出ろよな。
だいたい、せっかく俺様がデートに誘ってやろうと思ってんのによ…」
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「デートだぜデート。分かってんのか?」



「クソ!」
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ピッ!



「もしかしてこの間の事でまだ怒ってんのか?」
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「俺が沙織ちゃんを好きだとか何とか、勝手に決め付けてんじゃねーよ!」
「え!じゃなに?!あんたは好きでもない女と付き合ってる訳!?」



「バーカ!せいぜい沙織にも『ふにゃ○○やろ~~!』なんて言われないようにね!」
「なんだとーーーーーー!」
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「ま、まさかな…。
って…こんなに盛り上がってる俺だけど、あいつは俺の事どう思ってんだろ?」



「いや…体の相性はいいんだ…。それにいやに沙織ちゃんの事を気にしてたし…。
あれって嫉妬じゃね?だよな?だよな? ぜってーそうだ!     と、思う」
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「あーあ…最高にロマンチックな案を思いついたんだけどな…。
ま、俺らしくもねー案だけどよ…。え?聞きたい?聞きたいよな?しょうがね~な~」



「まずな、飯食いに行くだろ?あ、ハンバーガーとか、お手軽な料理じゃねーぜ?
ナイフとフォークを使うようなシャレた店でよ~」
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「んでその後はもちろん、夜景の見えるシックなBARよ。
愛の告白っつったら普通、そういう場所だろうが。だろ?」
と、ゴルゴは誰に問いかけてるのか、一人でブツブツと喋り始めた。



「そこで俺は気持ちを言う訳よ。惚れてるって言うか…乳をもう一度拝みたいって言うか…
目をジッと見つめて…ローリー…俺はお前が…」
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「うお~~盛り上がってきた!」



「いや、まてよ…。急に言うのはおかしいよな。今まであんだけケンカしてたのに…」
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「はっ!てかいきなり笑われたらどうすんべ?
あいつの事だ、あんた頭がおかしくなったんじゃないの?っくらい言いそうじゃね?」



「ぜってー言う。口の減らねー女だし。ったく…ムカツク女だぜ!」
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「って…だから!
それじゃいつもと一緒だって!そんな事言ってたらいつまでもあの乳にありつけねーし…」



「ああ…なんで俺様がここまで悩まなきゃなんねーんだ…。
クソ!それもこれも全部あの乳のせいだ!俺があの乳に心を奪われたばっかりに!」
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「あいつは俺になんか変な魔法でもかけたんじゃねーのか?惚れ薬でも一服盛ったとか?
あの女め!今度会ったらあいつを…」



「だからだからぁ~~!それじゃいつもと一緒だって何回言ったら分かるんだよ、俺!」
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「ちくしょう…俺のこの口が悪いんだな!」



「この口めっ!こんにゃろ、こんにゃろ!」ペシ!ペシっ!
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ムギュ~~



「あ~~ムシャクシャする!電話に出ろよな!!!」
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「………」



「あの…亮様…お食事のところ申し訳ありません…」
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「ゴルゴ様なんですが…その…」



「どうした?」
「はい…。あの…お食事が冷めてしまいますのでお呼びしたいのですが…その…」
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「ん?」



「か、彼がちょっと…その…変…といいますか…その…
あ、いえ!そんなには変ではありません!けれどこのままではせっかのくお食事が…」
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「いや、アイツが変な事は確か」キッパリ



「アイツ…マジでなにやってんの?」
「さ、さあ…。興奮してる事だけは確かだとは思いますが…」
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「ですが見てますと、興奮してると思いきや、時折沈んだお顔をされたりしまして…。
何かお悩みがあるのでしょうか…。少し心配ですね…」



「悩みか(笑)それなら大丈夫だよ。あいつね、いま恋しちゃってんの」
「恋…でございますか?」
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「そう。ほら、このみと一緒に来た女性いるだろ?ローリー。彼女にイカれちゃってんのよ」
「ああ!あの楽しいお嬢様!」



「それがさ、何故かあの二人、初めて会った時からいっつもケンカばっかりで。
なのに今になって彼女を好きな事に気づいたんだよ。バカな奴」
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「そうでございましたか。けれど青春とはそう言うものでございます。
きっと今が一番楽しい時でいらっしゃいますね」
「そうかもな(笑)」



「おい、ゴルゴ!飯食うんだろ?」
「あ?」
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「飯」
「あ…ああ…食ってく…」



「どうしたんだ?」
「いや…ローリーが電話に出ないんだよ」
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「どっかに遊びにでも行ってるんだろ?」
「だよな…」



「何?今すぐ声が聞きたくてどうしようもないとか?」
「ち…違うよ!」
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「へ~~」
「なにが「へ~~」だよ!それより飯、飯食うよ、腹減った」



「ほ~~♪」
「なんだよ!その「ほ~~」って!」
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「は~~♪」
「だから!ムカツクんだよ、その言い方!」



「おい、亮!」
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「分かりやすい奴…」



「お~うまそう♪」
「どうぞ、たくさん召し上がって下さい」
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「ほんでは遠慮なく、いただきま~~す♪」



「ゴルゴ様は食いっぷりがいいですね(笑)」
「そう?」
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「はい(笑)そんな風に食べてもらえると作り甲斐があると言うものです」
「だってうまいも~~ん♪」



「ところでカイル…ちょっと聞いていい?」
「はい、なんでございましょう」
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「ズバリ聞くけどさ、カイルって恋した事って……ある?」
「恋…でございますか?」



「あ、これはね、俺の友達の話なんだけどさ。
その友達が言うには、今まで散々ケンカばっかしててさ、んでもって憎たらしい女でさ」
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「けどある日突然、気づいちゃった訳よ」



「と、申しますと?」
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とぼけるカイル。



「だからぁ~~そいつに惚れてるって気づいたの!
あ、あくまでも友達の話ね。俺の話じゃないから、勘違いしないように」
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「ええ。分かっております」



「んでさ~その場合、どうやって言ったらいいと思う?
そこんとこを人生の先輩であるカイルに聞きたかったのさ」
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「やっぱさ、四の五の言わずにガバ!っとがいいと思う?
それともアイツの顔に手を添えて、そっと…あ、何度も言うようだけど、これは…」



お友達のお話   で、ございますよね?」
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「う、うん、そうそう!友達の話ね!だからさ~ガバッと行くのがいいのか、それとも…」



「そうですね…わたしくしならば…」
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「カイルならば…?」



「まずは目をジッと見つめます」
「目を?」
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「はい。何も語らず、目だけで相手に気持ちを伝えるのです」
「ふ~ん…。難しくね?」



「いいえ、誠意を持ってすれば相手の方にはちゃんと伝わります。
ご自分の気持ちの大きさを、そして愛の深さをお伝えするのです」
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「…で?」
「もちろん、お相手の方のお気持ちも目を見れば分かるはずです」



(え…どうやって分かんの?なんかの光線みたいなのが飛んで来るとか?)
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「お相手の女性が、熱い眼差しで見つめ返して来たのなら……その時は…」
「その時は…?」ゴクリ…



もちろん!
すかさず抱き寄せ、ギュッと彼女を包み込み、ガバッと唇を重ねるのです!」
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「え…いきなり?それはいくらなんでもマズくね?」



「自信がないのですか?」
「はい?」
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「男としての自信です!」
「そ…そりゃ…あるけど…」



「お~~っとと、失礼。これはゴルゴ様のお友達のお話でしたよね!
私とした事が、つい熱く語ってしまいました(笑)」
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「あ…ああ、うん…友達の話…そう…友達の…」



「とにかく!恥ずかしがってクズクズしててはいけません!いいですか?
こう言う時は女性も恥ずかしいものです」
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「そんな気まずさを女性に与えないよう、最新の注意を払い、甘く、素敵に、そして熱く熱く!
ご自分の気持ちを伝えるのです!」



「甘く、素敵に…そして熱く…」
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「熱く…」



「お~~~~っとと、またわたくしが熱くなってしまいました(笑)
これはあくまでもお友達のお話なのに、つい…」
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「あ、ああ、うん…そう…友達…」



ガタ…
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「それではでは私はちょっと出かけてまいりますで、これで失礼いたします。
どうぞまだたくさんありますので召し上がって下さい」



「いいですか?ギュっと抱きしめ、ガバッと!ですぞ?分かりましたか?」
「はい…」
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「それではお友達によろしく」
「あ…うん…友達に言っとく…」



ニンマリ
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「もしかしてカイルって…恋愛の達人?」



逆上る事、数時間。
一方、鈴之介の後を追って(つけて)行った沙織。
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追ったはいいが彼の前に姿を現す事が出来ないでいた。
自分でもよく分からなかった。何故彼を追った(つけた)のか。



ただこれだけは言える。相手の女性の顔を見たい。
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どうしても。



やがて一人の女性が現れ、太陽のような笑顔で手を振った。



「鈴ち~~ん♪」
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「お待たせ~~♪」



「や~ん♪ まさか鈴ちんから電話があると思わなかったの~~
私、すっごく嬉しくてェ~夕べは眠れなかったって感じ~」
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「そ、そうですか!ぼ、僕もあなたと会うのを楽しみにしておりました。
そ、それに先日は勝手に帰ってしまってあなたに大変失礼を…」



「ううん、全然いいの。だってこうして又会えたんだもん…気にしないでって感じ」
「あ、ありがとうございます!」
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「ね、今日はどこへ連れてってくれるの?」



「させ子さんはお花は嫌いですか?すぐ近くに綺麗な花が咲いている公園がありまして。
よろしければそこへ行ってお食事でもどうでしょうか…」
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「わ~~素敵!そんな所で食事なんて嬉しいわ!私、お花とか大好きなの!」
「ああ、それならちょうどよかった!」



「ね、早く行きましょ!鈴ちん!」
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「はい!」



ジーーーーーー
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(鈴ちん?いま鈴ちんって聞こえたわ…。もちろん鈴之介さんの事よね?
二人はそんな風に呼び合う程、親密な仲なのかしら…)



- 公園 -



「わ~素敵!お花がたくさん!素敵素敵!」
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と、大げさに喜ぶさせ子。



「ははは…そんなに嬉しいですか?」
「ええ、私ね、可愛いものとか大好きなの!お花ってとっても可愛いでしょ?」
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「そうですね(笑)いや~しかし、こんなに喜んでもらえて感激です!」
「うふふふ…でもね…私…お花だけじゃなく…グリーングリーンも好きなのよ…」



「グリーングリーン?」
「そう、グリーングリーン♪」
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「それはもしかして…植物の事ですか?」
「ビンゴ!」



「ビ、ビンゴですか…へ、へえ~偶然ですね。
実は僕は絵を描いてるのですが、花や植物などを好きでよく描いているんですよ」
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「嘘~絵を描いてるの~?すご~い~!じゃ人とかも描いたりするの?」



「はい。もちろん時には人物描も描きますが…」
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「でも今はあまり描いてません…」



「はは…植物とか描いてると心が和むんですよ…」
「へえ~そうなの~」
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「はい、艶やかなグリーンを見ると、つい描きたくなってしまいます」
「じゃあさ…目新しい葉っぱとか見ると……やっぱり描きたくなる?」



「そりゃもちろん!そんな植物に出会ったら是非描いて見たいですね!」
「ふ~ん…」
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「けど中々そんな珍しい植物には出会えませんけれど(笑)」
「あら…意外と目の前にあったりするかも?」



「ふふ…私ね、どうしよっかな~」
「何がです?」
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「言っちゃおっかな~」
「あの…?なんの事ですか?」



「あ~ん、もうダメ!鈴ちんだけに特別に言っちゃう!」
「はい?」
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「私ね、実はすご~~く珍しい植物を知ってるんだけどな~」
「え…?」



「とっても色あざやかでぇ~~悩ましげな植物なの…。
うふふ…。それを見たら鈴ちん…きっと興奮しちゃうんだから~…って感じ」
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「あの…そんな興奮する植物を、させ子さんは知ってらっしゃるんですか?」
「もちろん知ってるわ…。その葉っぱをそっとかき分けるとね…そこには……」



「うふっ♪」
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「とってもキュートな実がなってるのよ♪」



「それはすばらしい!是非僕も見たいです!」
「そう?なら見せてあげてもいいわよ♪ 鈴ちんだけ特別の特別の、超~特別なんだから!」
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「いや~楽しみだな~。さっそくですが、させ子さん!
そのグリーングリーンの所へ案内してもらえませんでしょうか!」



「やだ、鈴ちんったら!せっかちなんだから~!」
「すみません(笑)なんだかさせ子さんの話を聞いたら興奮してきちゃいまして(笑)」
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「見たらもっと興奮するかも?」
「きっとそうですよね(笑)是非この目で見て、そしてキャンバスに描けたら光栄です」



「さ、行きましょう!」
「あんっその前にお食事をしましょうよ!」
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「あ、そうでした(笑)僕とした事が、すみません(笑)」
「ううん、いいの♪」



「でも腹が減っては戦が出来ないでしょ?だから食事してからの方がいいと思うわ!
鈴ちんにはたっぷりスタミナをつけてもらわなくっちゃ!」
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「スタミナ?戦…?なんの事です?」
「いいのいいの、こっちの話!」



「あ、ほら、あそこに素敵なカフェがあるわ!あそこでお食事するんでしょ?」
「あ、はい」
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「うなぎとか山芋とかスッポンとかあるかしら!」
「え?」



「鈴ち~~~ん、早く~」
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「え、ええ…今行きます…」



「わ~~美味しいわね♪」
「気に入りましたか?」
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「ええ、とっても美味しいわ!」
「それはよかった(笑)」



ジーーーーーー
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ジーーーーーー



「させ子さん、そこに虫が!」
「キャッ!」
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「冗談です(笑)」
「もう!鈴ちんったらヒド~~イ!」



ジーーーーーー
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「………」



そして夜になり、やって来たのは…



「あの…させこさん…こ、ここは…」
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「うふふ…」



「お月様が綺麗ね…」
「この建物…ですか…?」
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「ビンゴ…」
「ビンゴって…あの…ここは…」



そう、二人がやって来たのは忘れれもしない、どピンク色のラブホだ!



「さ、鈴ちん、早く入りましょっ♪」
「でも…その…ぼ、僕は葉っぱを…」
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「言い忘れたけど私ね、この間、ここに忘れ物をしちゃったの。凄く大切な物だから。
ね、悪いけど着いて来てくれない?」
「しかし…」



「あん、いいじゃない。私一人でここに入るのは恥ずかしいわ」
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「けど…」



葉っぱ、見たくないの?」
「え…」
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「葉っぱ。着いて来てくれたら次は葉っぱに案内するんだけどな~」
「で、でも夜になってしまったし…その…」



「言い忘れたけどその葉っぱね、夜になると花開くのよ…うふふ…」
「夜に?」
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「そうね…後1時間もしたら満開じゃないかしら?」
「そうなんですか…」



「だからちょっとここで寄り道していけばちょうどいいと思うの。
あん、難しく考えないで。この間の忘れ物をちょっと取りに寄るだけよ」
「そ、そうですよね…」
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「ほらほら、早く行きましょ!」
「は…はい…」



「早く早く!」
「あの…させ子さん…やはり僕はここの入り口で待ってま…」
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「もう!一緒に行くの!」
「でも…その…」



「早くってば!」
「あ…」
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「嘘…」



(信じられない…。いくら私でもあそこがどんな場所かは知ってるわ!
鈴之介さんったら…鈴之介さんったら!)
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沙織は信じられないのと同時に、怒りがこみ上げて来るのを抑えられなかった。
あの鈴之介がまさかあんな如何わしい場所へ行くなんて!



今までの優しくて紳士な彼は幻だったの?
あんなに…あんなに鼻の下をベロンと伸ばすなんて!
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きっと私が知っていた彼は偽りだったんだわ。よかったわ、婚約破棄して!
ええ…私と彼はもう他人…。だから私には関係ない事よ…。



ダッ!
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関係ない事よ!



そうよ、私には関係ないわ!彼がどこで何をしようと、関係ない!
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それに彼はあんな人が好みだったのね。
あんな風に舌っ足らずな言い方をして、みだらな女性が!



沙織は足がもつれ、転びそうになりながらも一目散に走った。
頬に冷たく流れ落ちる雫を感じたが、それは決して涙なんかじゃない、気のせいだろう。
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とにかく、一刻も早くあの場所から立ち去りたかった。だからもっと早く走って!
もっと、早く、早く!



「はあ…はあ…」
彼が遠くに行ってしまったように感じた。私が追いつけない程、遠くに。
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今頃は二人で何をしているのだろうか。それを思うと胸の奥をギュッと掴まれたようになる。
イラつきと、どうしようもないやるせなさがこみ上げてくる。



ふと見ると、目の前に人形が立って手を振っているのが見えた。
それを見た瞬間、あの女性が鈴ち~んと呼びながら手を振っているのを思い出した。
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「お待たせ~~♪」



「なによ…あの人形……。なによ…なによ…」
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すると沙織は突然、つかつかと人形に向かって歩き出した。



そして…
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と、ケリをいれた(笑)



「こんなとこに置いてあるからいけないのよ…」
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「私のせいじゃないわ…」



「あれ~~こっちかな~う~ん…この下あたりだと思ったんだけどな~」
「見つかりませんか?」
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「うん…無いわ」
「僕がフロントに行って聞いて来ましょうか?」



「そうね。でもその前に鈴ちん、
悪いんだけど洗面所を見て来てくれない?そっちにあるかも知れないから」
「ええ、いいですよ」
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「ごめんね…でもほんとにほんとに大切な物だから…」
「いえ!気にしないで下さい」



「後ですぐに葉っぱに案内するからね」
「はい!楽しみです!」
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「グリーングリーンはすぐそこよ…」
「ええ!見つかったらすぐに行きましょう!大丈夫、絶対に見つかりますよ!」



「鈴ちんって頼もしいのね…」
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「させ子…まいっちゃう…」



「どんな植物なのかな~。早く見てみたいものだ。さてと…ん…?
そういえば、させ子さんは何を忘れたのだろう?」
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「はは…よく考えたらそれを聞かない事には探しようがないじゃないか。僕とした事が(笑)
珍しい植物を前に浮かれ過ぎかな(笑)」



カチャ
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「させ子さん、何を忘れたのですか?よく考えたらそれを聞いてませんでした(笑)
いや~植物の事に気を取られていて、肝心な事を聞くのを忘れ……わす……」



「チャオ~♪」
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前回と同様、何故か下着姿(葉っぱ姿)で優雅にポーズをとってるさせ子



「あの…さ、させ子さん…。ど、どうしてそんな格好で…?」
「うふふ…。鈴ちん、よく見て…私の葉っぱを…」
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「あ…」
「素敵でしょ?と~~っても珍しい葉っぱなのよ~」



「いや…でもそれは…葉っぱとは……と、とにかく早く洋服を着て下さい…」
と、言いながら上目使いで覗く鈴之介。
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「あ~ん、もう!いいからこっちに来て、ほら!」
「でも…」



ドサッ!
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「さ、させ子さん!」



「鈴ちんたら~すっごく見たがってじゃない?ほら、この胸の葉っぱをめくってみて…。
とってもキュートが実があるって言ったでしょ…。ふた~つ、こんもりと…」
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「あの、ぼ、僕はあなたの忘れ物を…」
「忘れ物は見つかったわ…」



「私の忘れ物は…」
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「あ・な・た」



「でも…」
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「あ~ん、いいからほら…」
「だけど…あの…」



「さ、させ…うわっぷ…」
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鈴之介はグイグイ押し付けられる胸に、窒息しそうになった。
息が出来なくなり、顔を横にズラしたその時だった!



あんっ!いい!いいわ!素敵!最高!とぉ~~ってもビンゴなのぉ~~
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と、させ子のいつもの悩ましげな声が、
火災報知機も作動するかの勢いで部屋中に響き渡った。



「鈴ちん!すごいわ!」
「あの…ぼ、僕はなにも…」
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「そこよ!そこ!」



鈴之介はさせ子から逃れようと、もがくように顔を左右に振るが、
その行為はかえってさせ子に刺激を与えるばかり(笑)
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「あんっ♪」
「さ、させ子さん……ぼ、僕息が…い…息……」



「鈴ちん!素敵よ!」
「ですから僕は息…息が…させ……」
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「ビンゴよ~~いいわ~~」
「ですからやめ…いい加減に…」



ドン!



は、離して下さい!
「あんっ なぁ~に~急に~~。今度は鈴ちんが上になりたいの?」
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「何を言ってるんですか!ぼ、僕は…僕は…」



「僕は帰ります!」
「どうして~~せっかくいいところなのに…」
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「す、すみません……。だけど…僕は…」
「ね、早く楽しみましょうよ~。私の実が腐っちゃってもいいのぉ~~?」



「あ、あなたのその実は……」
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「その実は…」



ダッ!
「絶対に腐る事はありません!すみませんが、お一人で楽しんで下さい!」
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「あ~ん……鈴ち~ん…」
と、またしても逃げられたさせ子(笑)



「はあ…はあ……」
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「あ…」



つーーーーー
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この鼻血は窒息のせいなのか、それとも興奮のせいなのか…。



「ぼ、僕はどうしていつもこう…鼻血を…」
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「こんな時なのに…僕はなんて…なんて…」



野蛮な男なんだーーーーーーー!
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と、前回と同様、月に向かって吠えた鈴之介であった…




続き、第44話(本館)へ 「別れの季節」 
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