第42話 「悲しみの午後」

*二度目の恋 君に逢いたくて…第42話


- 数日後 -


「ええ、招待状の発送は私から指示を出すまで待ってちょうだい。
そうね…あと数日で…ええ…ええ…」
20120712102935.jpg
「お願いね…」



カチ…
まだ亮の意思も確認しないまま、婚約の準備を着々と進める麗華。
だが、このみの電話から数日経っていたが亮からはまだ何の音沙汰もない。
20120710102223.jpg
焦りと苛立ちが少しづつ募っていく。



コンコン…
「あの…お嬢様。旦那様がお話があるとおっしゃっていますが…」
20120710104108.jpg
20120710105005.jpg
「お父様が…?」
「はい。すぐに下に降りてくるようにと…」



「これから出かけるの。忙しいのよ、お父様には後できちんと説明すると伝えてちょうだい」
「ですがお嬢様…」
20120710104815.jpg
「忙しいと言ってるでしょ!?」
「も…申し訳ありませんでした!失礼します!」



(私はどうしてこんなにもイラついているの?
事は自分の思い通りに運んでいると言うのに、こんなにも不安になるのは何故なの?)
20120710105241.jpg
勝利を目前としているのに、陰鬱な雲が彼女の胸の中で広がっていた。



カチャ…
20120710105432.jpg
それはまるで、晴れる事のない真っ黒な暗雲が、
これからやってくる嵐を今か今かと待っているかのようだ。



おかしい…もうとっくに何らかの動きがあってもいいはずなのに…。
20120710105510.jpg
彼女はあの時、すぐにでも亮と別れると言ったはずだ。
なのにいったいあの娘はクズクズと何をやってるの!



何かが気に入らない…。こんな風に不安になる事も、イラつく事も。
そしてこうやって先の見えない状態で事を進める事も気に入らない!
20120710105559.jpg
早く確信が欲しい。亮を確実に得られると言う確信が。



いいえ…少しナーバスになっているだけよ。自分を見失ってはいけない。
そう、こんな不安など受け入れてはならないのだ、私らしくもない!
20120710105645.jpg
勝利は目の前ではないのか?
何故なら、あの娘の方から亮を捨てるのだから…。



「ですからルビーちゃんの移植の手配を…」
20120712163210.jpg
20120712163812.jpg
「そう、決めたのね…。けれど分かっているのかしら?亮はバカじゃないわ。
あなたの方からきちんと別れなければ納得しなくってよ?」



「それならいいわ。それなら亮もあなたに未練を残さないと思うわ…。
よく決心したわね。でもあなた達二人にとってその選択は一番の解決策だと思うわ」
20120712164106.jpg
「では…私はこれで…」



そしてこのみも麗華と同様、行き場を失った心に不安と闇を抱えていた。
あの日、あの電話をしてから数日が経った今も、体が動かない。
20120710111437.jpg
だがルビーの命の終わりのカウントダウンは止まってはくれないのだ。
重い腰を上げ、動き出さなければならない。



しかし動き出したが最後、もうすべて終わりだ、後戻りは出来ない。
20120710111607.jpg
ああ…何故あの悪魔のような女にわざわざ電話してしまったのだろう。
愚かとしか言いようがない…。



けれどそれは何故なのかはこのみには分かっていた。
それは後戻り出来ないようにするためだ。
20120710112200.jpg
自分の迷いを吹っ切るためにも、どうしても必要な事だった。



そして、どんな風に亮に別れを告げるのが一番いいのかも、このみは分かっていた。
20120710112323.jpg
「リンダ……これでいいのよね…そうだよね?」



- 病院 -



「監督!」
20120710112514.jpg
20120710112537.jpg
「亮…」



「どうですか、ルビーの様子は?」
「ああ…なんとか無事に乗り越えた。だがICUからは出られんだろう…」
20120710112618.jpg
「そうですか…」
「この間はすまなかったな…取り乱してしまって…」



「なに言ってるんですか…取り乱すのは当たり前です」
20120710112716.jpg
「覚悟はしてたつもりだったんだが…いざとなるとな。
こんな事じゃルビーに笑われちまうな。それでなくともどっちが親か分からんのに…」
「監督…」



「ところでお前はいつ行くんだ?そろそろ向こうの町に行かんといけんだろ?」
「ええ…。来週にはと思ってますが…」
20120710130425.jpg
「こっちの事は気にしなくていいから早いとこ新しいチームに入って体を慣らせ。
結婚も控えてる事だし、しっかりと体調管理をしろよ」
「はい…」



「来てもらって悪いんだが、俺は一度家に帰って着替えてくるよ」
「あ、俺はルビーの顔を見たら帰ります」
20120710130620.jpg
「そうか。じゃ、またな」
「ええ…」



(監督…)
20120710130830.jpg
亮は監督がここ何日かで急に年を取ったように感じた。
相当まいっているのだろう。



彼と出会ったのはこの町のチームに入ってすぐの事だった。
20120710130948.jpg
ケガのせいでどうしても体が言う事を聞かない事に苛立ち、
自暴自棄になっていた自分をずっと励まし、見守り続けてくれたのがあの監督だった。



いわば彼はどん底から引き上げてくれた恩人だ。
20120710131058.jpg
そんな監督を置いて、いまここを離れる事がどうしようもなく不安になってきた。



だが麗華のあのバカげた案を受け入れるつもりは毛頭ない。
20120710131201.jpg
このみを手放す事自体、亮自身が出来ないからだ。
彼女はリンダ以来、初めて愛しいと思った女性だ。



いや、例えリンダに恋をしていたあの頃に戻ったとしても、
また彼女に惹かれ、そして恋をするに違いない。
20120710131336.jpg
何故なら、もう彼女のすべてを知ってしまったからだ。



クルクルとよく動く目。ドンくさくてユーモアたっぷりの天然ぶり。そして…
20120712111006.jpg
20120712111005.jpg
柔らかなあの体…。



彼女のすべてを知った今となっては、彼女を愛さずにはいられない。
だから何があっても彼女を手放せない。絶対に。
20120710131426.jpg
20120710131453.jpg
20120710131630.jpg
(ルビー…)



一方、シルヴァーを追い出す事に決めたローリー。
しかしそれを言い出すのはやはり気が重い。
20120710131733.jpg
同情に駆られたとは言え、自分から言い出してしまった事だからだ。



だけどいつまでも同じ場所に立ち止まってる訳には行かない。
シルヴァーを追い出さない事には何も始まらないのだ。
20120710131838.jpg
「さてと…」



彼に飛ぶ込むと決めた以上、クズクズしているのは性に合わない。
20120710131931.jpg
20120710132000.jpg
例えゴルゴが自分を受け入れてくれなくとも、それでも構うもんか。
そんな事にビビッてたらローリーの名がすたる!



ローリーは硬い意思を胸に、大股でシルヴァーに近づいた。
20120710132047.jpg
「シルヴァー、ちょっといい?話があるんだけど」



「話?」
「単刀直入に言うわ。もう出て行ってもらえない?」
20120710132216.jpg
「え…」
「ここから出て行って」



「お…おいおい…なんだよ急に…」
「急にじゃないわ。もう何日ここにいると思ってるの?もう限界よ」
20120710132318.jpg
「ちょ…待てよ…ローリー。俺が仕事と家を見つけるまで…」
「シルヴァー…ごめん。やっぱり無理なの。それに私もほんの2、3日のつもりだったし…
なのにいつまで経っても見つからないから…」



「マジ、すぐに見つかるって!今日もこれから面接に行こうと思ってさ」
「ごめん、出て行って…」
20120710132519.jpg
「だからさ、ほんとにマジで…」
「お金も渡さないわ。自分でなんとかしてちょうだい」



「なんだよそれ…」
「友達のところにでも行きなよ…」
20120710132636.jpg
「でも俺には…」
「お願いだから!」



「男?」
「え…」
20120710132720.jpg
「この間の男のせい?お前、惚れてんだろ?」



「なに言ってんのよ…」
「図星だ…。相変わらず分かりやすい女だな…」
20120710132824.jpg
「どうでもいいでしょ…。とにかく出て行ってよ…」
「いいけど…」



「ほんと…?」
20120710135914.jpg
「ああ…。その前に、荷物をまとめないとな…。それぐらい手伝ってくれんだろ?」



「もちろんよ!」
「なんだよ…急に元気になりやがって…」
20120710140001.jpg
「だって!あんたがこんなに素直に「うん」って言うと思わなかったもの!
荷物をまとめるぐらい手伝うわよ!」



「へえ~……最後まで優しいのな…。あの男が羨ましいね…」
20120710140109.jpg
20120710140108.jpg
(よかった…。さあ、後は沙織だけね…)



- 同時刻 -



「ふん♪ふふん♪ふ~~ん♪」
20120710140225.jpg
鼻息も荒く、新たな人生をスタートさせようとしている鈴之介。



「うん、ヒゲも剃った、シャワーも浴びた、レストランの予約もした。
これでデートの準備はすべて整った!僕としては上出来だ」
20120710153545.jpg
もう振り返らない。甘い沙織の空想も頭を振って考えないようにした。
後は時が解決してくれるだろう。



そう、沙織以外の女性と交流を持てば、きっと何かが変わる。
それにあの彼女(させ子)とのデートはなんだか楽しかった。
20120710140402.jpg
途中で逃げ出したとは言え、とても有意義なひと時だった事は事実だ。
もちろん今回はあんなような失態は絶対にしない。



そもそもあんな事はまだ早い。もっと友好を深め、お互いを知り、
そして初めて次の段階へと進めればいいんだ。
20120710153755.jpg
「よし!」



と、意気揚々とデートに向かおうとしている鈴之介だが、
果たしてさせ子はそんな悠長に友好を深めようとするだろうか…?
20120710154025.jpg
いやいや、いくらさせ子でも前回は逃げられたのだ。
さすがの彼女も少しは懲りただろう。



そう…少しは…



懲り…



懲…



「うふふふふ…♪これでバッチリね。前回はちょっと刺激が少な過ぎたんだわ♪」
20120712111228.jpg
「これならあのお坊ちゃまもヨダレを垂らして飛び掛ってくる事間違いなしね!
今度は逃がさないぞっ」



バッキューン
20120712111427.jpg
葉…葉っぱ?



そして沙織はと言うと、鈴之介から違う女性の存在を知らされてからと言うもの、
どう言う訳かその事ばかりを考えてしまう。
20120710154208.jpg
その女性とはいったいどんな女性なのだろうか。



ああ、どうしてこんなにも気になるのだろう。
20120710154336.jpg
見知らぬその女性と鈴之介が笑い合っている光景を思い浮かべると、
その辺にあるテーブルを蹴りたくなってくる。こんな風に思うなんてどうかしてる。



スクッ
20120710154320.jpg
「何もする事がないからこんな事ばかりを考えてしまうんだわ…。
外の空気でも吸ってリフレッシュしなくては…」



と思い立った沙織だが…



「あ…」
20120710154526.jpg
20120710154547.jpg
「あ…」



バッタリ
20120710154624.jpg
と、思いっきりマンガのように行きって会ってしまう二人。



「や…やあ!」
「こ、こんにちわ。こ…これからお出かけですか…?」
20120710154930.jpg
「ええ…これから例の女性と食事…いえ…デートなんです…」
「え…」



「思い切って電話したら向こうも僕を気にかけてくれていたみたいで」
「そうですか…」
20120710155032.jpg
「どうですか?僕のこの格好、おかしくないですか?」
「え?…いえ…おかしくありません。とても素敵ですよ…」



「それはよかったです!なにせまともなデートなんてした事がなかったもので!
何を着て行くか5時間も迷ってしまいましたよ!はっはっはっ~」
20120710155122.jpg
「5時間も……ですか…?」
「はい(笑)浮かれ過ぎですよね、笑ってやって下さい(笑)」



「き…今日はとても爽やかな陽気ですし…デートをするにはとてもいいですね!
どうぞ素敵なデートを楽しんで下さい」
20120710155417.jpg
「ええ…そうします。では僕はこれで…」



「行ってきます…」
20120710155559.jpg
(ええ、楽しみますよ、もちろん…。あなたの事を忘れるぐらい…楽しみます…)



「行ってらっしゃい…」
20120710155639.jpg
沙織はこの時、無性に鈴之介を呼び戻したい衝動にかられた。
けれど、それをしたらいけないのだ。



そう、彼が言うように私達はもう婚約を解消した身。
もう私は彼にすがりついてはいけない…。
20120710160036.jpg
そしてもう二度と、あの暖かい腕の中へ安心を求める事は許されないのだ…。
でもそれは私が自分で望んだ事…。ゴルゴさんへの恋心を抑えきれない私が…



なのに何故、こんなにも淋しいの?どうして鼻の奥がツンとなるの?
20120710160059.jpg
分からない…。分からないけれど、
彼が私以外の女性を守るようにエスコートする姿を想像すると、なぜか息苦しくて…



「沙織!」
20120710160318.jpg
「今いいかな?」
「あ、はい…」



「どした?顔色が悪いけど?」
「い、いえ…そんな事は…」
20120710162509.jpg
「そう?ならいいけど…」



「沙織、あのさ…私ね…沙織に言わなきゃならない事があるんだ…。
って言うか謝らなきゃって言うか…なんて言うか…」
20120710162648.jpg
「あのさ…」



(そう言えば私は鈴之介さんとデートと言うデートなんてした事なんてあったかしら?
二人っきりでデートと言う目的でどこかに行くと言う事なんて…)
20120710162855.jpg
(そうよ、たまに出かけても彼はいつも絵を描いてばかり…。
私だってたまには映画を見たりショッピングしたり、そんな事をしたかった時もあったのに…)



「ゴルゴの事なんだけどね…。
ごめん、私あんたに嘘ついてた。ずっと自分の気持ちを誤魔化してあんたに…」
20120710163051.jpg
「今更なのは分かってる…。私も自分でも情けないと思うけど…」



(なのに今日はキャンバスを持って行かないの?絵の具は?
その女性と会うのに5時間も洋服を選ぶのにかかったのに、私の時は5分だったわ!)
20120710163257.jpg
(どこへ連れて行くの?映画?公園?それとも恋人達で賑わう素敵なレストラン?
私の時は山か川か谷だったのに!)



「でさ、やっぱりフェアじゃないって気づいたんだ。アイツに気持ちを伝える前に、
あんたにちゃんと言わなきゃと思ってさ…」
20120710163538.jpg
「シルヴァーにもちゃんと出て行ってもらうよ。さっききちんと言ったから。
もういい加減な事はしない。ちゃんと正々堂々とね…」



(なぜか無性に腹が立って来たわ!二人はどこでどんなデートをするの!
イライラするわ…。とってもイライラする…)
20120710163621.jpg
「私…」



「あ~もう!早い話が私もゴルゴの事をね…」
「ローリーさん…私…」
20120710163717.jpg
「ほら、ちょっと意地になっちゃったって言うかさ…」



「私!」
「分かってる!嘘をついたのは悪かったと思ってる!ほんっとごめん!」
20120710163840.jpg
「失礼します!」



「だからね沙織……」
「のっぴきならない用事を思い出しましたので失礼します!」
20120710163945.jpg
20120710164135.jpg
「って…は?」



「ちょ…沙織!まだ話は終わってないよ!沙織ってば!!」
20120710164208.jpg
20120710164237.jpg
体が勝手に動き出していた。もう止まらない!やめられない!



そして向かった先は………



そう、鈴之介を追いかけたのだ!彼女はマッハゴーゴーの猛スピードで彼を追いかけた。
今ならオリンピック選手になれる事間違いなし程のスピードだ!
20120710164347.jpg
追いかけて追いかけて…あっと言う間に追いつき…そして…



隠れた(笑)
20120710164456.jpg
しかしこれはどう見てもストーカーに近い気がするが…ま、気のせいだろう。



「なにあれ…なんなの?せっかく勇気を振り絞って言おうとしてたのに…。
って言うか足、速くね?」
20120710164551.jpg
ローリーは沙織に、ゴルゴへの思いをきちんと言っておこうと思ったのだ。
気持ちを偽るのはやめにしたい。



そう、自分の心を騙すのは、いつ、どんな時も難しいし苦しい事だ。けれど悲しいかな…。
人はそうしなければならない時がある。たとえ、後悔する事が分かっていても。



カタ…
20120710165210.jpg
20120710164821.jpg
そして、決して巻き戻す事の出来ない時間を悔やみながら、虚しい願いを口にする。
時よ………戻れ…



ツルルルルル…
ツルルルルル…



「お前、人の家の前でなにやってんの?」
「何って…座ってんの…」
20120712140130.jpg
「んな事は分かってるよ…。そんなとこに座ってねーで中に入ってろよ」
「ちょっと考え事があって外の空気を吸いたかったの!」



「はいはい、どうせローリーの事だろ?」
「べ、別にアイツの事じゃねーよ!」
20120712140210.jpg
「ったく素直じゃねーな。粋がってねーで電話でもなんでもしろよ」



「え?そう?…そうね、電話ね…。だよね、うん。ほんじゃさ…ご飯とか…誘って見るとか?
中々いいね…うん。じゃ…いっちょ やっちゃう? ね、俺やっちゃう?」
20120712140340.jpg
20120712140500.jpg
「やっちゃって…」



カチャ
20120712140829.jpg
「亮様、おかえりなさいませ。ちょうどこのみ様からお電話が入っております」
「ああ、病院にいたから携帯の電源を切ってたんだ。今行く」



(よ…よかったら…ぼ、僕と…しょく…食事…食事…行きません…か?二人っきりで…。
ね、どう?行く?行っちゃう?)
20120712141021.jpg
(……って…なんか変じゃね?  なんて言って誘ったらいんだ?)



「わりー電源切ってた」
「ああ…行って来たよ…。まだICUからは出られないらしい…ああ……ああ…」
20120712141346.jpg
「で、どうした?もう整理は終わった?」
「…ん?話?なに?いま言えば?」



「いいえ…直接会って話したいんです…。ええ…ええ…」
「じゃその時に又お電話します…はい…はい…」
20120710165038.jpg
20120712141859.jpg
(なんだ…?)



確かに私は神ではない。けれどどうすればいいと言うのだ。
私が出した結論が少女の運命を変え、神の怒りを買うかもしれない。
20120710164642.jpg
だがそもそも神に怒る資格があるのだろうか。
だって神はあの幼い少女の命を奪おうとしてるではないか!



そうよ、彼女は死ぬ事が運命なんかじゃない、生きる事が運命なのだ。
そして私は彼と一緒にはなれない…それが私の運命なのだ。
20120710165257.jpg
ええ…その代償を背負う覚悟はもう出来てる…。
もう出来てるわ!



著作権者様から許可をいただいてお借りしているBGMです。
よろしかったらお流し下さい。音量にご注意ください。







「これだけだっけ?」
「ああ…俺の荷物なんてビビたるもんさ」
20120710165512.jpg
「落ち着けば増えるわよ。何か忘れ物があったら電話して。送ってあげるから」
「分かった…」



「シルヴァー……結局何もしてあげれなくてごめん…」
「いいさ…」
20120710165628.jpg
「じゃ…元気でね…」
「お前もな…」



「なんて…俺がマジで素直に出て行くと思ってるわけ?」
「え…」
20120710165657.jpg
「ふざけんなよ…」
「シルヴァー…?」



「お前、何か勘違いしてねーか?」
20120710165734.jpg
「どういう意味よ…」



「ちょ…なにやってんのよ…」
20120712142430.jpg
20120712142613.jpg
「何って…見れば分かんだろ?お前と愛を深めようと思ってるのさ」
「はあ?」



「あんな、俺がこうなったのは誰のせいだと思ってんだよ?分かってんのか?」
「何言ってんのよ!ふざけないで!」
20120712142056.jpg
「全然ふざけてねーっつーの」
「やめてって言ってるでしょ!?」



「やめ…やめて!」
「逃げんなよ!」
20120710165859.jpg
「シルヴァー!」
「俺はな~、お前なんかと出会ってなければ今頃は全部うまく行ってたんだ。
お前がグダグダ小言ばっか言うから俺の運が全部逃げて行ったんだよ!」



ドサッ!



「言いがかりはよしてよ!」
「惚れた男が出来ただ?なにほざいてんだよ?あ?
あの男、知ってんのか?お前が過去にテメーのガキを二人も殺した事をよ!」
20120710165951.jpg
「ちょっと!」
「どうせすぐに捨てられるに決まってんだ。そんな事になる前に…」



「シルヴァー!」
「俺が好きだろ?あの頃、しつこいぐらいに俺にすがってたじゃねーかよ。
その俺が帰って来てやったんだ」
20120710170113.jpg
「離して…っ!」
「お前みてーな女を相手にすんのは俺ぐらいだって事をそろそろ分かれよ!」



「あの頃のように欲しくてしょうがなかった俺の体をくれてやるよ!」
「いい加減に…っ!」
20120712143148.jpg
20120712143758.jpg
20120710170241.jpg
「お前は俺に…」
「…シル…」



「惚れてんだよ!」
20120710170324.jpg
20120712143917.jpg
「あっ…」



「へへ…さすがだね…お前の体は今でも俺を覚えてる」
「シル……」
20120710170423.jpg
「おとなしくしろよ、もう無駄だ」
「シルヴァー!」



ローリーは抵抗しても無駄だと分かっていた。
それでも足をバタつかせ、なんとか逃れようとしたが、やはり無駄だった。
20120710170533.jpg
ああ…私は救いようのないバカだ…。情けなくて声も出ない。
ちょっと考えれば、こんな風になる事は予想出来たはずなのに…。



何がゴルゴへ飛び込んで見るだ…。こんな私…受け入れてくれっこなんかないのに…。
20120712144239.jpg
もう私なんか消えちゃえ…消えて無くなっちゃえ…



(出ねーし…。もしかしてシカトぶっこかれてるとか?)
20120712144457.jpg
(ったく…なにやってんだよ…。出ろよな…)



「約束通り金は用意してくれ」
「出て行って…」
20120710170827.jpg
「なあ…俺だってここまで…」
「出て行って!」



「へいへい、出て行きますよ」
20120710170933.jpg
「あ、一つ言い忘れけど、避妊はしてないぜ?
万が一ガキが出来てたら今度こそ生ませてやるよ。嬉しいだろ?」



出てけーーー!
20120710171007.jpg
20120710171036.jpg
「はあ…はあ…」



「は……はは…おかし…笑える…ほんとにやって来た…やって来たよ、このみ…。
ほらね…こうやって必ず代償はやって来るんだから…だからそう言ったじゃん…」
20120711101140.jpg
20120712144750.jpg
20120712144858.jpg
20120712145251.jpg
20120712145335.jpg
20120712145518.jpg
20120712145519.jpg
20120712145654.jpg
「そう言ったじゃん…」




続き、第43話(別館)へ 「続、男は辛いよ」 
二度目の恋…タイトル一覧は(本館) 「こちら」   
ストーリー別一覧は(本館)       「こちら」
カテゴリ
最新記事
リンク
カウンター